ナスカの地上絵やインカ帝国、アルパカやコンドル、アンデス山脈。ペルーと言えば雄大な自然や世界遺産が最初に思いつきますが、近年は高品質なコーヒーを生産する国として頭角を現しています。クッキーのような甘苦さとカカオのような香ばしさを感じる、とても飲みやすいコーヒーです。
Nif Coffeeの「ふつう」「ふかいり」は味わいのコンセプトのもと、随時オリジンを変更してお届けしております。 内容は旬のスペシャルティコーヒーから厳選していますので、シングルオリジンのコーヒーとしてもお楽しみいただけます。
目次
1. 商品について
1-1. 詳細情報
生産者:ゲラルド・オカーニャ(エスペランサ農園) & グラシエラ・ナルバイサ(ロメリージョ農園)
地域:カハマルカ県チリノス
標高:1,700~1,800m
精製:ウォッシュト
品種:ブルボン、カツーラ、ムンドノーボ
南米大陸を縦断するアンデス山脈のど真ん中ですね。
1-2. 味わい
軽めの味わいで、クッキーのような甘さとカカオのような香ばしさを感じ、とても飲みやすいコーヒーです。バランス良くいい塩梅の甘苦さが魅力のコーヒーは、秋の味覚に合わせるのにもってこいのパートナーです。
モンブランや糖度の高い安納芋の焼き芋がおススメ!ぜひお試しあれ
1-3. 2つの農園について
エスペランサ農園とロメリージョ農園は隣接しており、気候条件はもちろん同じ。ただし、それぞれの農園には物語があります。
「エスペランサ農園」
ゲラルド・オカーニャさんが1960年に始めた農園。彼は6人の子宝に恵まれましたが、息子のフロレンティーノさん以外はコーヒービジネスに関心を示さず、他の5人の子供たちは引き継いだ農園の持ち分を売却してしまいました。ですので、現在はフロレンティーノさんが農園を引き継いでいます。相続で揉めなかったから良かったかもしれませんね。
「ロメリージョ農園」
ホアキン・ナルバイサさんが1930年に始めた農園。彼は晩年、農園を不法定住者に占拠され、その心労で体調を崩し亡くなってしまいました。 その後、孫のグラシエラさんが不法定住者たちを排除し、土地を取り戻しコーヒー農園を再開させました。現在は、彼女が牧畜と併用してコーヒー農園を引き継いでいます。
エスペランサ農園
ロメリージョ農園のグラシエラさん
2. ペルーのコーヒーについて
2-1. 意外に多い生産量!
コーヒー産地としての知名度は低いペルーですが、アラビカ種の生産量ではなんと世界で5番目!コーヒー産地として有名なグァテマラ(6番目)よりも多くのコーヒーを生産しています。※1。
なお、ペルーは世界でも有数のオーガニック認証やフェアトレード認証のコーヒー豆の輸出国であります。
2-2. ペルーコーヒーの歴史
かつては大規模農園による生産が主流でしたが、1968年のペルー革命以降、大土地所有制度が崩壊し、外国資本による農園運営も制限され、大規模なコーヒー農園は細かく分割されました。現在は小規模農家が全体の約90%です。
そんなペルー産のコーヒー豆は、スペシャルティコーヒーの生産地としてはあまり知られていませんでしたが、2017年にCup of Excellence という有名な品評会が開催されると、ペルー産スペシャルティコーヒーの品質の高さが世界中に知れ渡り、生産者サイドもスペシャルティコーヒー生産への熱意が高まっています。
3. 国の概要
3-1. 基本データ
国名:ペルー共和国(Republic of Peru)
首都:リマ
国土※2:約129万平方キロメートル(日本の約3.4倍)
人口※2:約3,297万人(2020年)
公用語:スペイン語、ケチュア語、アイマラ語など
1人あたり名目GDP※3:6,134米ドル(2020年)。世界では91位、中南米では21位、南米大陸では6位です。
3-2. 気候
自由に旅行が出来るようになったらペルーに行ってみたい、とお考えの方もいるはず。 ペルーは沿岸部のコスタ地域(国土の約12%)、高地のシエラ地域(国土の約28%)、アマゾン川流域のセルバ地域(国土の約60%)の三つに分けられ、標高差は海抜0m~6,800mくらいまであります。なので、ペルーのどこに行くかによっても大きく変わります。
各地域の観光ベストシーズンが分かりやすくまとめられているサイトがありました。
参考➀:風の旅行者「ペルーの気候情報」
3-3. 水産大国ペルー
アンデス山脈然り、山岳地域のイメージが強いペルーですが、主要な輸出品目では鉱物の他に「魚粉」が挙がるほど、ペルーでは水産業が重要な産業です。 世界的に見ても、国別の水産物漁獲量は5位で、日本はもちろんアメリカやロシアよりも上位に位置しています。(参考:2020年FAO) なお、ペルーの水揚量の90%以上はアンチョビが占めています。特にペルー産のアンチョビは品質が高く有名ですね。パスタなど料理で使う人も多いはず。ただし輸出では養殖用の飼料として使われる魚粉がメインです。
また、アンチョビの属するイワシ・ニシン類の漁獲量では2位日本の95万トンの約4.5倍の440万トン。まさにアンチョビ大国なのです!
しかも素晴らしいことに、ペルーのアンチョビ漁は、IVQという漁船別に漁獲量を定め操業する管理を行うことで、かつて低迷した漁獲量を回復させ、資源保護と漁業労働者の収入安定にも成果を出しています。まさにサスティナブルな漁業!徐々に資源も回復し、漁獲枠も増やせているのだとか。
4. ちょいネタ
4-1. 南米一の美食都市!首都のリマ
漁業大国ペルーでは、海の幸が充実しています。輸入ウニ業界ではペルー産ウニの質が高いことで有名ですし、中華料理の高級食材フカヒレもペルー産のものを見かけます。ペルーの料理では、白身魚やタコなどの魚介を使ったマリネ「セビーチェ」は有名です。
セビーチェ
2021年の「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」では、TOP10にリマのレストランが2店舗も名を連ねています。広いアメリカ大陸でTOP10に入っているのはこの2店だけです!スゴい!
・第4位『Central』
・第7位『Maido』
以上、最後までご覧いただきありがとうございました!!
※1:米国農務省より
※2:外務省より
※3:世界銀行より