≪21世紀最初の独立国≫として知られる東南アジアの島国・東ティモール。フェアトレードの取り組みでコーヒー生産者へ支援を行い、複数の有機認証を持つ完全オーガニックで作られる、美味しいコーヒーを飲んで東ティモールのコーヒーの可能性を感じてください!
4/28出荷分から「ふつう」の内容は、タンザニア キリマンジャロ リマAAに替わり、東ティモール「レテフォホ」を焙煎しています。甘くて軽やかな味わいの、多くの人に飲みやすさを感じてもらえるバランスの良いコーヒーです。 NPO「ピースウィンズ・ジャパン」の支援活動のもと、より付加価値の高いコーヒーを目指して行われるこのレテフォホコーヒーの取り組みを、東ティモールという国の紹介と一緒にお伝え出来たらと思います。
Nif Coffeeの「ふつう」「ふかいり」は味わいのコンセプトのもと、随時オリジンを変更してお届けしております。 内容は旬のスペシャルティコーヒーから厳選していますので、シングルオリジンのコーヒーとしてもお楽しみいただけます。
目次
1. 商品について
1-1. 詳細情報
地域:エルメラ県レテフォホ郡 ドゥクライ村(ハトゥヘイ生産者グループ)/ラウアナ村(キリレロ生産者グループ)
標高:1,500m~1,600m
精製:ウォッシュト
品種:ティピカ系在来品種
レテフォホ上空。朝晩は長袖が必要なくらい寒いです。
乾期から雨期に替わる頃、コーヒーの花が一斉に開きます。
真っ赤に熟したコーヒーの実をひと粒ずつ手で収穫します
木に登って収穫することもしばしば
収穫後の選別作業。熟していない青い実や、熟しすぎた実を取り除きます
水を流しながら、手廻しのパルパー(果肉を剥がす機械)でゴリゴリと種の部分(パーチメント)を取り出していきます。かなり力が必要です。
私もやらせてもらいましたが、へっぴり腰すぎて隣にいるマリアちゃんに爆笑されました。。
1-2日水につけてヌメリを取ったら乾燥します。集落での加工はここまで。
この後、ピースウィンズ・ジャパンの現地スタッフによって買取られます。
1-2. 味わい
軽めの飲み口で、甘さとナッツのような香ばしさをバランス良く感じるコーヒーです。コクの強いタイプではないので、深煎りには向いていないのですが、「ふつう」用のやや深煎り(cityロースト)にすることで、良さを感じつつ酸っぱくならない、いい塩梅の味わいになっていると思います。
このコーヒーを生産しているレテフォホ郡の様子がよく分かる動画がありますので(約3分)ご覧ください。東ティモールのコーヒー片手に見ていただくと産地で飲んでいる気分に浸れるはずです!
(Youtube:PeaceCoffeeClubチャンネルより)
1-3. このコーヒーのここがスゴイ!
後述するNPO「ピースウィンズ・ジャパン」さんの支援のもとで生産・管理されるこのレテフォホコーヒー。ただ美味しいというだけでなく、以下の取り組みや認証を取得することで、多くの付加価値を消費者に届けてくれています。
●フェアトレードの取り組み
最低買取価格を設定しており、市場価格に左右されない収入を生産者へ担保しています。さらには買取価格に加えて集落へプレミアムの支払いを行い、品質向上を目指す生産者集落への支援(設備投資などの援助)を行うことで、生産者のモチベーションを向上させています。
SDGsの目標としている「貧困をなくそう」の実現に向けての取り組みとも言えますね。
●完全無農薬生産による3つの有機認証
レテフォホコーヒーは以下の3つの有機認証を取得しています。
・有機JAS認証(日本)
・USDAオーガニック認証(アメリカ)
・EUオーガニック認証(通称:ユーロリーフ)
海外では認証コーヒーへの意識が高い人が多く、特にオーガニックはその筆頭です。そのため日本の有機認証である「有機JAS」だけでなく、アメリカの「USDAオーガニック」、さらにはEUオーガニック認証「ユーロ・リーフ」も取得することで、世界に向けた商品展開を視野に、東ティモールコーヒーの可能性を拡げます。
●高品質なコーヒーを作るための取り組み
「おいしい」から売れる、「おいしい」から買う、というシンプルな価値創造を目指して取り組んでいます。そしてこれが一番大変かも。なぜなら終わりがないから。
ピースウィンズ・ジャパンさんは、単に仕組み作りや認証取得を目的とするのではなく、生産者と現地スタッフが協力して、産品であるコーヒーの品質自体を向上させていく試行錯誤を15年近くも行っています。
また、コーヒーの流通の全工程を管理することで「おいしいコーヒー」をどうやってベストな状態で日本に持って来れるかにも奮闘しています。
1-4. NPO ピースウィンズ・ジャパン
「海外人道支援」「災害支援」「保護犬事業」「地域再生事業」を軸に国内外問わず様々な社会問題に取り組んでいます。災害などテレビで報道される際に、ピースウィンズ・ジャパンの方々が支援活動をされている姿を目にしたことのある方もいるのではないでしょうか。
東ティモールへの支援ついては、1999年に行った食料や住居などの緊急支援から始まり、独立後の2003年から本格的にコーヒー生産者への支援を行っています。
今や東ティモールの高品質コーヒーはピースウィンズ・ジャパンの活動なくしては語れないと思います。
東ティモールのコーヒーやピースウィンズ・ジャパンさんの活動に興味・共感を持ってくれた方には寄付金という形で応援することができます。
2. 東ティモールのコーヒーについて
2-1. 輸出量 世界で何番目?
直近(2021/02~2022/01)の統計を参考にすると、輸出量は約12万袋(60kg×12万袋)。世界では24番目の輸出量です※1。
しかしながら国土面積から考えると、どれだけコーヒー生産が東ティモールにとって重要な産業かが伺えます。人口の4人に1人がコーヒーの収入によって生活しているとも言われるほどです。
ちなみにアジア1位はベトナムで60㎏×2600万袋、隣国インドネシアは60㎏×710万袋の輸出量です。※アラビカ/ロブスタを合わせた輸出全量
2-2. 超重要な換金作物
東ティモールの悩み、それは産業がない事。
ジュゴンの住むきれいな海や、ワニの住む自然があるものの、観光客は隣国インドネシアやオーストラリアに行ってしまう。島国で平地が少ないために大規模な農業もやりづらい。地下資源もそれほど開発されていない。人々が生活するための食糧や産業機器、エネルギーなどのほぼすべてを輸入に頼っています。
そして(ほぼ)唯一外貨を得ることができるのが、輸出品としてのコーヒーなのです。
3. 東ティモールの事
3-1. 国の概要
国名:東ティモール民主共和国
首都:ディリ(Díli)
人口※2: 約130万人
国土※2: 約14,900k㎡
※人口・面積、ともに岩手県と同じくらいです。
1人あたり名目GDP※3: 1,348米ドル(2020年)。世界では161位です。生活に必要なほぼすべてを輸入に頼る同国ですから物価は低くありません。それでいてこの数字は厳しいと言わざるをえません。
3-2. 東ティモールの若者たち
少し前の話ですが、現地に駐在する日本人の方に聞きました
諸々の物価が高い東ティモール、ただし通信料金はすごく安いらしく、街中では至る所で電話している人がいます。バイクに乗っていてもヘルメットと耳の間に携帯を挟んで話し続けているのだとか。話し相手はおもに恋人らしいです。
自撮り、いわゆる「セルフィー」が流行っているらしいです。ちなみに現地テトゥン語では「オンカ」というらしいです。(オン=自分、カ=カメラ)
人口の99%がキリスト教で、その半分がカトリックだといいます。レテフォホにも大きな教会があり、日曜日にはミサがあります。片道2時間もかけて通う敬謙な信者がいる一方で、若者たちは恋人に会う事を目的に通うのだとか。
4. ちょいネタ
4-1. 東ティモール・フェスタへ行こう!
東ティモールに少し興味が出てきた、というあなたにお勧めのイベントがあります。毎年東ティモール・フェスタといって東ティモールを身近に感じることができるイベントが開催されています。東京の四ツ谷での開催なので、足を運べる方は限られてしまうと思いますが、今年はオンラインでもいくつかのトークセッションが催されます。ぜひチェックしてみてください!
以上、最後までご覧いただきありがとうございました!!
※1:国際コーヒー機関(ICO:InternationalCoffeeOrganization)より
※2:外務省より
※3:世界銀行より